きょうだい児 8歳 その4
姉の入院していた病院は都会のど真ん中でした。都会と言ってもその県のなかで。
なので、母はたまに息抜きに百貨店とかに行っていたようです。
夏休みは朝、父が姉の入院している病院に私を送って帰りにまた迎えにきて家に帰るという生活を送っていました。
たぶん月曜日だったのかな?私が病室に行くと、母が
「これいいでしょ?」と言ってだしたのが
ミニチュアの赤い家具セットでした。応接セットや鏡台やベッドなどプラスチックでしたが布張りしてあり、すごく素敵でした。
ぽ~っとみとれていると、
「おねえちゃんに買ってあげたの。すてきでしょ?」
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「私のは!?」
私は叫んでいました。そして大泣きしました。
「え?」
母はびっくりしていました。
これを買ったとき、母は私のことなど考えもしなかったのでしょう。
おねえちゃんが喜べばみんなしあわせだとでも思っていたのかもしれません。
私の泣き声は、6人部屋にひびきわたっていました。
あれは 本当に悲しかったです。
そのあとしばらくして私にも同じのを買ってくれましたが